社会とつながる

「七千年に一度の縁を生かす」

2011年3月11日、千年に一度の東日本大震災発生は私の人生の大きな転機になりました。これからの自分はこの大災害の復興に役立てようと決心したのです。それからの被災された方々との出会いが、自分の価値観を大きく変えることになります。それは「聞き書き」という活動を通してです。聞き書きは震災ですべてを無くした被災地域の皆さんの、ご自身のあゆみや、暮らしに根付いた伝統や文化の思い出、産業再生への思いなどを聞きとって、1冊の自分史にして差し上げるというものです。話を聞いていると被災された方々の心の中に、自分の人生が鮮やかに甦ってくるのが分かりました。人生を精一杯生きてきた60人のお話を聞き、それは私自身に生き方を教えて下さる大きなメッセージにもなりました。今日まで「人様のお役に立つんだよ」と育てられてきたこの地域の方々は、震災で支援を頂くことに大変な心労を伴っていたのです。「行列で食料を頂く惨めさには耐えられない、今すぐ自分で働いて糧を得たい」「主人を亡くし生活保護を受けられるが、子供に恥をかかせないために自分で働いて育てている」「年取って何もお役に立てないから、せめて募金をしている」等々震災後の大変な状況の中でも皆さんは決して人間の尊厳は失っていなかったのです。人間は「人の役に立ちたいと生まれてきた」という生々しい証言でした。

一方、仏法では七百年周期で大偉人が現れ世を救うと学びました。現代の偉人は正に庭野開祖であり、私は庭野開祖の説法を直接聞くことができる時代に生まれました。私は大震災と大偉人、この2つの事象に同時に縁になれるのは七千年に一度のことであり、天文学的な確率だと気づきました。それは「今ここに願って現れたのだ」と自覚した瞬間でした。

復興期間には「復興災害」と呼ばれる災害が発生します。それは災害を原因としたDVや引きこもり、いじめや差別などの人災です。この被害を受けた方たちを救う場所が欲しいと思っていた矢先の2012年7月、仙台に「公益財団法人日本駆け込み寺仙台支部」ができるとのニュースが入りました。私は早速、発足日に代表の玄秀盛氏を訪ねて、その日から駆け込み寺のスタッフとなりました。奇しくもその日は私の誕生日でした。


その後は2014年7月に「明るい社会づくり運動仙台地区推進協議会」に被災者支援チームを立ち上げました。すると翌週に東京から被災者支援のために移住してきた方に出会い二人で活動を始めました。今は仲間も増えて「心の復興」をテーマに支援活動を行っています。特に被災地の2つの風である「風化・風評」を防ぐために、全国の皆さんに被災地訪問を呼びかけています。この活動が宮城県から認められ年間200万円の補助金が支給されて旅費、宿泊費の補助に当てています。又、Facebookに毎日震災情報を投稿し300人以上に発信しています。仙台明社のホームページ、メールマガジンでは週1回のペースで被災地の状況を提供し続けています。

私は長年IT企業のシステムエンジニアとして働いてきましたが、この機に思い立って現職を辞して復興庁に入庁、現在は国の立場で復興計画に携わっています。転職より私にとって仕事とボランティアはThink Globally、 Act Locallyの理念で行動できるありがたい環境になりました。

今後は「被災者」の言葉を使った支援は後3年で収束したいと考えています。徐々に町づくり、コミュニティ支援へのシフトが求められているからです。そんな中2015年11月に地域助け合い団体「NPO法人仙台支え愛サポートセンター」構想の相談を受け、法人設立メンバーに加わり、理事として運営に携わっています。
自分自身の「稀なる縁」に気づき動き出すと、次々に出会いの縁で結ばれていくことが分かります。それはあたかも大きな家の縁がわに笑顔で集まってくる仲間のように思えます。


「NPO法人仙台支え愛サポートセンター」
http://sendaisasaeai.wixsite.com/sasaeai
「公益社団法人日本駆け込み寺」
http://nippon-kakekomidera.jp/
「仙台明社」
http://www.sendaimeisya.org/
「仙台明社Facebook」
https://www.facebook.com/sendai.meisya

 

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織笠英二

織笠英二

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織笠英二(63歳)
1954年7月 岩手県生まれ
1983年4月 富士通株式会社入社
2016年6月 復興庁入庁
NPO法人 仙台支え愛サポートセンター理事
公益社団法人 日本駆け込み寺仙台支部相談員
NPO法人 明るい社会づくり運動理事
仙台明社被災者支援チームリーダー

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