エッセー

「不思議な夢」#3

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キリスト教に関連する不思議な夢から始まりました。最後は苦しい人生の選択を迫られた、江戸時代の日本最初の西洋画家へ辿り着いたお話をしてきました。
ただ夢から与えられたヒントを手掛かりに紐解いてみた一つの可能性を持つストーリーに他ならないかもしれません。他に似たような事例が出て来るのかも知れません。しかし、何かが引っ掛かる。長崎に住んだこともあるし、家族と原城跡とか口之津を訪れた事もある。更には、現在住む家の散歩コースに、野火止め平林寺があり、境内に幕府側の総大将松平信綱の墓がある。島原の乱の供養塔もある。何か不思議な縁の繋がりがあるのかもしれません。

この様な糸を手繰り寄せるようなことをしつつ、ノーベル賞作家カズオ・イシグロの「私を離さないで(原題:Never Let Me Go)」に出でてくる“ポッシブル”探しと似てるかなと思ったりした。

架空の話だが、臓器移植の為のクローンの子供達3人を主軸とした話が展開される。隔離された世界で育つ外は、普通の若者達同様に不安と好奇心に満ちた青春時代を過ごす。いずれ実社会に、「提供者」と「介護人」として、出ていく前に気の合ったもの同志が先輩も含め共同生活をする。その時に英国中の忘れ物が集められているとされるノーフォークに遊びに行く。

そこで見かけたある中年の女性が、仲間の一人のオリジナルでないかと、「ポッシブル(もしかして)」探しをする。不憫な立場の子の切ない遊び心を表現したもので、もとより、心に引っ掛かるものを興味本位で探索をしている「夢の繋がりさがし」とは違うが、そんなことを思ったりした。
そうさせる様に、何かが過去より現在に働きかけているのかもしれない。ともあれ夢の正体は謎に満ちている。

こんどは過去にさかのぼることに繋がる夢でなく、近未来に起こることを予知する夢のお話です。

アメリカで勉強していた時の事です。秋の新学期が始まる前までに、経営学部の大学院の授業に参加できるレベルの語学力があるか日本で受けた留学用の共通試験トーフルとは別に試験を受けるよう求められた。この為、夏休みを利用した英語のコースに出ていた。この間中央キャンパスの学生寮で、アルジェリアの原子力を専攻しようとしている大学院生と同室だった。

彼は物静かで控えめな、小柄の紳士で、敬虔なイスラム教徒だった。毎日5回床に白いタオルを引いて、メッカの方向にお祈りしていた。私もブッディストですと伝え、毎朝読経する。何か引き締まった気持ちになる毎日だった。

英語の試験が終わった日、日本から来た留学生達同志で懇親会が有り、ついつい気を許し、勧められるままかなり飲んでしまった。
翌朝、何時もの通り物静かな調子で、彼より「一つだけ忠告をさせて貰ってもいいですか?」と話しだされた。

「昨日のあなたは、何時ものあなたではなかった。アルコールは人を変えてしまうから、あなたのためにやめた方が良いですよ。」との言葉だった。
「イスラムの敬虔な信者のルームメートのあなたの事を忘れてしまって、試験が終わった後の懇親会で飲んでしまって申し訳ない。」と謝った。
「仏教ではお酒を禁じられていないのだから、私は気にしません。ただ飲み過ぎてしまう様だったので、体の為を思い忠告させてもらいました。」との温かい言葉だった。

改めて、兄の様に心配してくれたことにお礼を言い、静かな生活が秋の初めまで続いた。
大学院の授業が始まると、お互いのキャンパスが異なり、彼とは別の寮に移り住んだ。
それからは、物凄い読書量とグループワークの議論といった猛烈な勉強に追われる日々が続いた。その間、自然とアルコールは控える様になった。
とある週末の晩、学生の飲むアルコール度の低い酔えない安物のビールを飲んだ。その晩、温かい忠告をしてくれたイスラムのルームメートの夢を見た。「やあ元気かい。」と云って挨拶している光景だった。

これが正夢だった。

翌日、図書館の帰りにキャンパス近くのスーパーに日用品の買い物に寄った。そこで、数か月ぶりに再開した。「やあ元気だった。久しぶり。」「実は今朝あなたの夢を」と云いかけたら、「いや、僕も今日この店で君に会う夢見たよ。」と云う。
そして国から呼び寄せた奥さんに紹介された。彼に似合いの小柄で控えめの若い人だった。この様な人に巡り合う夢は、時々見る。彼との繋がりはその後は無いが、これから何かあるのか分からない。

初めて会う人の夢を事前に見ることもある。このような場合は、お互い初めて会う人の気がせず、先方もどこかで一度一緒に仕事をした様な気がしますねと云われる。このような出会いは大きな仕事に繋がることが多かった。
夢はつくづく不思議だなと思う。

以上

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イチゾウ

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団塊世代、重厚長大産業出身、第二の人生真っ只中。

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