エッセー

素敵なママと子供たち

今日は横須賀の姉の所に行くために新宿駅で山手線に乗りました。運よく席が空き、座れた所が幼い兄妹の隣でした。若いママは大きなキャリーバッグを持ち子供たちを守るかのように子供たちの前に立っています。

電車が渋谷駅に着いたときママはお兄ちゃんにそっと言いました「ほら、貴方に席を譲ってくれたお兄ちゃんが降りたわよ。目白から乗ったとき混んでいたから、とても助かったわね。貴方も大きくなったらお兄ちゃんのように出来るといいわね」。

すると可愛らしい満面の笑顔で「うん、大丈夫。きっとそうするから」。

その会話を聴いていた私は、隣にいるお兄ちゃんに話しかけたい思いに駆られ、思わず「何歳ですか?」と聞きました。「4さい」。すると妹がこちらを見ていることに気づいたママは「貴女はいくつだっけ?」と聞きました。「わたち 2しゃい」2本の指で教えてくれたのです。妹が寂しい思いにならないように気遣うママ。なんて素敵なのだろうと思いました。

すると今度はお兄ちゃんが「ねえ、ママはいくつだっけ?」「女の人に年齢を聞いてはいけないとパパに言われたでしょう」。ニコニコしながら答えるママをしりめに、「39歳だよ。内緒ね」と私の耳元で教えてくれました。

「ありがとう。内緒ね」と応えた私は71歳。

それからお兄ちゃんとの会話が弾みます。「バイオリン習っているの?」「どうしてわかったの?」するとママが「ケースを背負っているでしょう」と。「そっか。そうだね。あのね、おばあちゃんに弾いてあげるの。だから持っているんだよ」「そう、おばあちゃん喜ぶわね」「うん、だからいつもぼくのこと待ってるの」「おばあちゃんのお家はどこなの?」「大阪なの。でも今日は飛行機に乗るの。ねママ」。

それからハ〜と大きなため息をつきました。私との会話で疲れたのかと思い「どうしたの?疲れた?」と聞くと「うん 幼稚園毎日でしょう。だから疲れたの。頑張ったから」「そっか疲れたよね。頑張ったもんね」幼い彼がいとおしく胸がいっぱいになりました。話が途切れたところで品川に着き、「バイバイまたね」一期一会。別れは切ないものですね。

素敵な親子に出会い、ほっこり幸せな時間を過ごしながら、息子を持つ私は、ふと欲の心が動きました。

パパの実家なら嬉しいな〜(苦笑い)

Takayo.maruyama

Takayo.maruyama

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昭和22年鹿児島県生まれ。51年、「子どもに学ぶ家庭教育」の開発者・小林謙策氏に師事。
以来、自らの子育ての反省と実践を通し、国内はもとより海外でも多くのお母さんたちに「だいじょうぶ、あなたはいいお母さん」と心からのエールを送ってきた。現在も講演会、講座などの講師を務めながら、傾聴ボランティアも行なっている。

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