人生へのまなざし

真っ暗な空にこそ、星は輝く 第5回

大人になってからADHD(注意欠陥多動性障害)と診断された私が、子供の頃からの苦しい経験を振り返って見えてきた、さまざまなコトを綴ります。一人でも多くの方のお役に立てることを祈って。

高校生活で実感『自分が変われば相手も変わる』

小学校の卒業式に、「中学生になったら友達を一人作る」という目標を立てました。私が通う小学校の生徒の半分が同じ中学校に入学したため、同じ小学校だった人からは相変わらず避けられたり、自分の知らない所で噂が広まっていたり、話したこともない人から「うわ。こいつか。キモイのがきた。」と言われることもありました。

しかし、やはり自分に原因があるのか、友達付き合いがうまくいかず、結局一人で過ごす毎日でした。でも、他の人たちの人間関係の築き方の観察は怠ることはありませんでした。心の中で、「きっとこの人達一人一人もグループから外れるのを恐れていて、そうならないように必死なんだ。でも、だからといって標的を作るためにいじめをするのは、心から安心できる友達付き合いができていないから、寂しいからなんだろうな。きっとこの人たちはいずれ同じ目に合うだろうな。」と悟るようになりました。

私は走ることが大好きで、バスケット部に入部しましたが、通っていた仏教の教会行事で部活を休むこともあり、「また鼓笛だって!」などと言われ部活内でも避けられるようになり、初めて「どうしても部活を辞めたい。辛い。」と母親に相談しました。

母は、「そんなに辛いなら辞めな。ここまで頑張ったんだから十分だよ。」と理解してくれ、部活を辞めました。死の世界ってどんなんだろうと考えることもありましたが、部活を辞めてからいっきに心が楽になり、それまでと同様に毎日休まず登校し、辛いときは不登校の人がいる部屋によく遊びに行きました。いろいろ辛い思いもしましたが、自分にとって親友と呼べる友達が一人できました。

高校へ入学すると、私を知っている人は1割ほどになり、友達もたくさんできました。小・中学校が同じだった近所の友達と毎朝登校する機会を親同士が勧めてくれ、その子たちの友人が私の友達にもなってくれたという感じです。その他にも、自分の力で一から友達を作ることもできました。何をどう変えたのかは細かくは覚えていませんが、『変わるまで諦めない』をモットーに自分に足りない何かを研究し、周りの人をよく観察して、少しずつ気づきを増やしていったと思います。友達はみな、私のことを面白いと評価してくれ、友達に囲まれる学校生活が本当に楽しかったです。この時が、教会で教えてもらった『自分が変われば相手が変わる』を実感した時でした。

もちろんこんなこともありました。たとえば授業中、パッと黒板を見ると「あれ、今どこやってるの?あ、3ページも進んでる。」なんてことは定番で、頭の中は上の空。授業中に思い出し笑いをすることもあり、バレないようにひたすら隠しながらニヤニヤしていました。

友達関係を観察していたら、あるグループの子たちが“ドーン!”と体をぶつからせながら“おはよう”と声をかけて笑い合っていたので、距離を縮めるにはそうすればいいんだと思い、あまり仲良くない友達にやったらドン引きされたこともあります。笑

 

ERIKO

ERIKO

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茨城県生まれ。幼い頃はおてんばで、木登りやかけっこをしては傷だらけの少女だった。
物心つく頃から人間関係で悩むようになり、自分を含め、あらゆる命がなぜその姿でこの世に誕生するのかを問うようになる。

23歳で看護師になるが、度重なるミスに上手く対処出来ず、うつ状態になる。
24歳でADHD(注意欠陥多動性障害)と診断を受け、治療薬を内服し始めると、ミスは激減。それまで苦手と感じていたあらゆる物事が徐々に解消され、人生が大きく変わっていく。
患者さんと接する中で、「私にしかわからない気持ちを、あなたは理解してくれる。あなたが担当で良かった。」と言われたのをきっかけに、自分自身のこれまでの人生を人の幸せのために役立てたいと思うようになる。

現在は看護師をしながら、東京都杉並区を中心に活動している『Let it be〜発達障害の子を持つ親の会〜』で、当事者としての思いを共有し、当事者だからわかる子供たちの気持ちを代弁している。

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